監獄ノスタルジア(2.5)
医務室に拘束されてからかなり時間が経っていた。
(一体いつまでほっとかれるんだよ・・・)
イライラしていたところに誰かが入って来た。
「あれ・・・・・?」
先ほど通路で見かけた蒼い瞳のオンナがそこにいた。
俺を見てあわてて飛びのく。
その顔には恐怖の二文字が張り付いていて、見開かれた瞳は涙に濡れている。
(そんなにオレが怖いのかよ・・・・!)
オンナの態度にムカついた。
なんでそんなに泣くんだか!こいつだって軍人なんだろう?メソメソ泣いてんじゃねーよ!蹴飛ばすぞ!
ムカツキついでに俺はちょっとからかってやった。
「バカなナチュラルのカレシでも死んだかぁ〜!」
・・・返事代わりに降りてきたのは鈍く光るナイフの切っ先。かわしたものの、額に傷を受ける。
「なにすんだよ!」
女の瞳はマトモではなかった。まるで殺意の熱に翻弄されている人形のようだ。
おまけに後から入ってきた別の女にまで銃を向けられる有様。
トリガーを引かれ、まさに撃たれそうになったその瞬間!ピンクの影が俺の視界を染めた。
もみ合う人影。泣き叫ぶ声。何が何だかわからない。
ただ呆然とその様子を見ているだけの俺だった。
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