───トールがいないのに・・・なんでこんなヤツがいるのよ・・・!





監獄ノスタルジア(3)











───俺は拘禁室の独房へと移送された。



天井を見上げ、ひとり思う。

なぜ・・・あの女は俺を庇ったのだろう。

答えなど解らないのに、すべてそこへ行き着いてしまう。

それにしても自分は酷いことを言った。

「あ〜あ!それともバカで役立たずなナチュラルの彼氏でも死んだかぁ〜!」

気が付いた時には女にナイフを振り下ろされていた。

まさか・・・ビンゴだったとは思わなかった。



コーディネイターに恋人を殺された女。

自分はあの女の恋人の仇なのだ。

大切な人を想う気持ちはコーディネイターもナチュラルも同じなのだ。

こんな事すら自分は気付きもしなかったのだ。

なのに・・・その直後、別の女に銃口を向けられた俺を。
死んだ恋人の仇である俺を庇って助けたのだ・・・あの女は。

「・・・違う・・・私・・・・・・違う!」

あの時・・・女は必死で何かを訴えていた。

蒼い瞳から流れ落ちる涙が何故かとても神聖なものに感じた。

もう一度あの女に会いたい。

言葉を聞きたい。

そして教えて欲しい・・・。





   なぜ・・・俺を庇ったのか教えて欲しい.。

   「違う・・・!」と叫んだその言葉の意味を。

   

   訳を聞きたい。

   おまえの口から。

   教えて欲しい。









───心からそう思った。










(2004・10・29) 空

※ディアッカさんどうします?

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