13: 月と星空
月の無い夜に星を見ようと彼女を海へ連れ出した。
オーブの闇に潜り込んでお互いの顔すら定かではないのに、吐息だけが妙にリアルでちょっとHな妄想がグルグル。
「星降る夜ってこんな夜の事だと思うわ・・・」
「月がないから文字通り星の海だな・・・」
「何がいいの?チョコ?マシュマロ?・・・ねえディアッカ?何食べる?」
「・・・・・・・・」
「ねえ・・・どうしたの?」
「お菓子なんていらねえっつ〜の!」
「は・・・?」
逃げる彼女の腕を掴んでぐっと強く引き寄せて。
「おまえを食べたい!実力行使!!」
───だってこんな話のためにおまえをひっぱって来たんじゃないってば!
せっかく綺麗な星空なんだから当然下心満載で、一挙にお近づきになりたいの!You know OK?
なのにさっきからおまえはキャンデーだのチョコレートだのガサガサ出しては「ディアッカもどう?」
なんてノンキなセリフも大概にしてくれよ! だってオレが食べたいのはお菓子じゃなくてオマエなの!
いいかげんオレに食べられてくれない?理性も忍耐も自制心も、とっくに限界超えちまってるんだから!
キスは強引。優しくなんて今のオレにはちょっと無理!
ジタバタ騒いでもムダだって。逃がしてなんかやらないね!
ああ、もう!そんなに抵抗しないでくれよ!ここまで来たら素直にオレのモノになってよお願い!
力を込めて抱きしめた途端彼女の手からお菓子の袋がボソッと落ちて・・・
「ああ〜・・・」って叫んでいきなりオレを突き飛ばす。
そのままバランスを失って・・・。
「おわっ」「きゃああああああああああああ〜っ」
───一2人で海にダイビング!
「おまえ・・・ヒトがせっかくムード出してせまってんのになんつ〜ことするんだよ!」
「だってお菓子の袋が落ちたんだもん!」
「お菓子なんかいつだって食えるだろっ」
「キスだっていつでもできるじゃないっ!」
『『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!』』
「・・・・・・ふ〜ん・・・そうなんだ・・・・」
「キスっていつでもOKなんだ・・・」
「いつでもさせてくれるんだ・・・」
「ち・・違うわよ!今のは単なる言葉の綾・・・」
「じゃぁ・・・今当然キスしてもOKっつ〜ことだよな・・・」
月の無い夜に彼女と2人でデートした。
きっと耳たぶまで真っ赤になった彼女の顔を見られないのは残念だけど。
言葉の綾なんてソッコー無視してOnce more!
触れ合った唇の熱と濡れた肌の熱がダイレクトに伝わって・・・それはそれで Oh!Great!
それは月の無い夜に星の模様のカーテンの中での2人の秘め事───。
(2005.6.29) 空
※ 風邪ひくよ(笑)
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