闇を奔り抜けて行く。

左右に流れる風景はその形を留めずに彼方へと飛び去るだけだ。
立ち止まって眺めた街の灯りの・・・その暖かさが嫌いでただガムシャラにバイクを奔らせていたあの頃。
オレとクルーゼは仲間同士。よくやんちゃをしたものだ。
共に名士の父親を持ちながら、愛人の息子であるただそれだけで世間はオレ達を冷たく拒絶した。
どれ程わが身を嘆き悲しんでも誰も振り向いてはくれない。
結局・・・幸せとはたどり着けない彼方にあるものなのだと・・・クルーゼは言った。
時は過ぎ・・・それでもオレは暗闇の中を歩き始めた。
拙い足取りで一歩一歩・・・。
やがてほんの少しづつ開け始めた風景は・・・ゆっくりとその形を現してオレの眼の前でピタリと停まった。
だが、クルーゼは今も闇の中を奔り続けているのだろう。
きっと立ち止まって風景を見ることもせずに。






所詮・・・恋など!(2)






午後10時まであと5分。
かつて一大都市開発プランが進行していた『ドゥリットル高原』
開発企業の汚職撤退で今や荒城の廃墟と化した総合開発の跡地。
この跡地こそクルーゼがディアッカに指定した呼び出しの場である。

「来たよ・・・クルーゼ」

ディアッカは愛車を止めて前方の暗闇に意識を集中させる。
すると姿は見せずとも、闇の中から低い呻き声ともとれる声が響いた。

「ようこそディアッカ。また会えて嬉しいよ。とりあえずは貴様ひとりで来たようだが・・・どうした?自慢の『フォア・カード』の面々は」

「さあねぇ・・・おまえから貰った手紙をとりあえず見せたんだけれどさぁ・・・それきりあいつららには会ってないのよ?・・・だから『どうした?』って聞かれてもさ?答えようがないんだよねって、何?おまえもしかしてあいつらの居所知ってるの?」

「ああ・・・知っているとも・・・」

嘲るような声と同時に、いく筋ものライトがディアッカの姿を照らし出す。

「おまえの頼みの『フォア・カード』は私の手の内さ・・・」

ディアッカの前方がいきなり明るくなった。

そこに浮かび上がったのはサングラスをした金髪の男と・・・手足を縛られて男の足元に投げ出された格好のミリアリア。

「ディアッカっ!」

クルーゼの足元のミリアリアが叫んだ。

そして・・・。

「すみませんディアッカ・エルスマン!僕達も捕まっちゃいましたっ!」

その傍らには屈強な男達に組み伏せられたニコル・アマルフィとアスランザラのふたり。

「なんだよ・・・おまえらも捕まっちゃったわけぇ〜!」

ディアッカは額に手を当てると恨めしそうにニコル達を睨み付けた。

「だってしょうがないじゃないですか・・・!呼び止められていきなりボディブローですよ?そんなの防げないでしょう?ケンカ慣れしたあなたと違って僕達は温厚な紳士なんですから!」

「・・・温厚な紳士ねえ・・・」

「おや?ディアッカ・エルスマン。何か異議でもおありですか?」

「んなもんねぇよ!異議を唱えたって結局は押し切られちまうんだもんなぁ・・・」

「よく解ってますね。そうですよ。僕達あってのフォア・カードですし、そうでなければディアッカ・エルスマン、あなただってただの悪ガキですからね」

「・・・悪ガキ・・・」

「ええ。もっと自覚を持ってくださいね。でないとまたイザーク先輩に『馬鹿かっ!貴様〜っ!!』って罵られますよ・」

「はいはい・・・って、ところであいつは・・・イザークはどうしたの?おまえらと違ってまだ捕まってないってか?」

「イザーク先輩ならインフルエンザで昨日からエルスマン総合病院に入院してるじゃありませんか!」

「あれ?そ〜だったっけ?・・・どうりであいつの姿が見えなかった訳だ・・・」

「あなたの親友でしょう?ディアッカ・エルスマン!」

「まあね〜」

非常事態だというのにこの呆れた会話・・・。

(こいつら・・・何を呑気なことを・・・!)

クルーゼは苛立つ感情を抑えながら・・・ふと足元のミリアリアに眼を向けた。

「ところでディアッカ。フォアカードの面々については言いたい事も山ほどあるだろうが・・・この少女はどうするかね?」

クルーゼはほくそ笑む。
この女・・・ミリアリア・ハウはディアッカにとってのウィークポイントのはずだ。このままで済む訳が無い。
だが、ディアッカはミリアリアに一瞥をくれただけでいともあっさり言ってのけた。

「あ〜?ミリアリア?別にサ・・・そいつオレの婚約者でも何でもないのよね〜!見合い話とか結婚話が煩くてさぁ、そいつに協力してもらってるだけなのさ。『お願いします!哀れなオレを救ってくださいミリアリアさまっ』てね?」

すると前方からニコルの甲高い声が響き渡る。

「違いますよ!嫌がるミリアリアさんの許可もなく強引に婚約者にしてしまったんじゃありませんかっ!
『今日からおまえはオレの婚約者ね・・・え?冗談じゃないって?今更そんなコト言われても却下。まあヨロシクなっ!』って左手の薬指に無理矢理指輪をねじ込んだんでしょうっ」

「ウルサイねニコル。・・・なあクルーゼ、今聞いた通りだからその女は放してやってよ。関係ないんだからさぁ」

ディアッカの溜息混じりの声に対し、クルーゼは冷たい言葉を投げる。

「嫌だね。それにこの女だって名士の生まれなのだろう?既成事実を作ってしまえば私にも上流階級入りの扉が開けるではないか!」

クルーゼはミリアリアを抱き起こすとその頬に舌を這わせた。

「あのなあクルーゼ。盛り上がっているところ悪いんだけどさ・・・そいつ、まんま庶民だぜ?成績優秀なもんで奨学金貰っているただの庶民のオンナ」

「・・・なんだと・・・!」

その言葉を受けてクルーゼの瞳が怒りの色を映す。

「なあ・・・おまえこれだけ周到にオレの近況を調べ上げていたクセに・・・こんなことも気付かなかったのか?」

ディアッカはクルーゼに憐憫の視線を隠せない。

「諜報活動はやっぱウチのニコルの方が上だよな・・・」

まるでアトラクションでも始まるかの如くお気楽な調子のディアッカにクルーゼの怒りが爆発した。

「貴様ら・・・どこまで・・・どこまで私をバカにすれば気が済むんだ・・・・っ!」

「別にバカにしてはいないんだけれどさぁ・・・何ていうの?おまえの計画って昔から理想にばかり走っていてさ?その抜け漏れはみんなオレがやってきたわけじゃないの」

「・・・ふざけるなあっ!」

クルーゼは腕に抱いているミリアリアの頬をいきなり殴打し、地表に投げ下ろした。

「ミリアリア・・・っ!」

と、ディアッカが叫び思わず近寄ろうとしたその時・・・。

「さっきからウルサイ男ねえ・・・」

その言葉が終わると同時にクルーゼは足元をすくわれ、その場に崩れ落ちた。

「な・・・何だっ・・・!」

何が起こったのかクルーゼはおろかディアッカにも解らなかった。

まだ縛り上げられたままのミリアリアの状態から察するに・・・クルーゼに投げ下ろされた際に彼女は身体をよじってクルーゼの足を引っ掛けたらしい。

「あたしはねえ・・・ゴチャゴチャとうるさい男って大嫌いなのよってディアッカっ!あんたのとばっちりを受けたんだから後でしっかり奢るのよっ!」

その声にディアッカは会心の笑みを浮かべた。

(さすがはバリバリの庶民だね!冷静な判断をしてくれるじゃん!)

ミリアリアが必死で作ったチャンス。これを逃すほどバカな奴は『フォア・カード』には存在しない。

隙をついて屈強な男どもを倒してしまったニコルが叫ぶ。

「ディアッカっ!何ボケッとしているんですかっ!特務隊にサインをっ!」

傍らには先程までひと言も発しなかったアスラン・ザラが笑っている。
普段物静かで口数の少ない男ではあるが、格闘技術はディアッカのそれを上回るとも言われているのだ。

その様子を見てディアッカは右手を挙げる。
高度なGPS探査装置が作動を始め、ディアッカの背後からどこに潜んでいたのかと思う程の人影が飛び出してきた。

「は〜い!特務隊のみなさんご苦労様です!ディアッカ・エルスマンが許可しますので、思いっきりやっちゃってくださいね〜!」

「これで雑魚の始末は完了ですね。ディアッカ・エルスマン」

ニコルがクスクス笑いながら言った。

(流石だねえ・・・)

自分の出る幕などこれっぽっちもない。

そしてディアッカは懐かしそうに空を見上げた。

「ターゲットがオレやフォア・カードだけならさ?こんな大掛かりで周到な事をしなかったんだけれどね・・・。クルーゼ、おまえ・・・ミリアリアまで巻き込んだだろ?あいつは上流社会の人間じゃないからな・・・確実に助け出す為に取っておきの手を使った」

特務隊に押さえつけられたクルーゼは低く呻くと嘲るような言葉を吐いた。

「そんなに大切かね?その女が・・・」

「う〜ん・・・ちょっと違うかな。こいつ・・・ミリアリアはさ、オレが金持ちのボンボンだって知っても態度を変えなかったんだよね。解るだろ?おまえならさ・・・権力とか支配とかに左右されないやつのありがたさって。昔オレ達が喉から手が出るほど欲しかった力なんてゴミだと言ってのけるんだぜこいつ」

ディアッカはクククと口元を歪めて笑いながら、ミリアリアの許まで歩みを進めた。
そしてその身体を抱き起こすと、頬に付いていた泥を拭い、縛り上げているロープを解いた。

「大丈夫か・・・って、オマエ空手何段だっけ?それに護身術も習っていただろ?ニコルの調査書に書いてあったぜ?」

「・・・3段よ。っていうかハッキリ言ってこいつ弱すぎ!」

「まあそう言うなよ。捕まっていたのは事実だろ?」

「それはそうなんだけれど・・・」

「いいから・・・こっちに来いよミリアリア」

ディアッカはそう言ってミリアリアの手を取るとそのまま強く自分の方に引き寄せた。
ボスッという音と一緒にミリアリアはディアッカの胸の中へと抱き込まれる。
そのままきつく抱きしめると耳元でひと言『悪かった・・・』とだけ告げた。
すると・・・その言葉を聞いた途端、ミリアリアの身体からは力が抜け、更に小刻みに震えだした。

くぐもった嗚咽が聞こえる。

「もう泣いてもいいよ・・・。よくガマンして気を張っていたよなおまえ」

声を上げずににミリアリアは泣いた。
そう、ディアッカは知っている。
ミリアリア・ハウという女はいつもひとりでこっそりと泣くのだ・・・。


       ***


───なあ・・・クルーゼ。ちょっと聞きたいんだけれどさ?おまえ・・・本当にオレと一戦ヤル気あったの?

ディアッカはミリアリアを抱いたままでクルーゼに尋ねた。

「いくら抜けの多いおまえでもさ・・・オレの現状とフォア・カードの能力は知っているはずだろ?ましてやずっとコンビを組んでいたオレのやり方だって解っていたんじゃないのかよ・・・」

「・・・・・・」

クルーゼは答えない。

ディアッカは更に言葉を続ける。

「おまえの本当の目的って何だよ?でなけりゃこんな人目につく手紙や・・・予め場所の指定なんて今時の誘拐犯でもやらないじゃん?」


       ***


───しばしの沈黙の後にクルーゼは呟く。

「そうだな・・・ディアッカ・エルスマン。でも、そんな計算高いおまえだからこそ、このやり方だったら反応すると思ったのさ・・・」

「・・・そうだよな。その読みは正しいよなクルーゼ。でもそれだけじゃオレは動かない」

「だから・・・その女を使った。ディアッカ。貴様は計算高く情け容赦のない男だがな・・・それでも弱点はある」

「・・・弱点?」

今度はディアッカが怪訝な表情をクルーゼに返した。

「そうさ・・・。貴様は仲間意識が強い。真に信頼した者だけにしか心を開こうとしない。だからその女を使った」

「ふうん・・・」

「貴様はその女にはずいぶん心を開いているようだな・・・。意外だったよ?おまえが心を開くのは『フォア・カード』と姉のマリュー・ラミアスだけだと思っていたからねえ・・・」

「あの調査の写真・・・見ただろう?あんな笑顔のディアッカ・エルスマンなんて・・・しかも笑顔を向ける相手が女だなんて・・・そんなディアッカを私は知らない・・・」

「だからこの女・・・ミリアリア・ハウを使えば絶対おまえは来ると思ったのさ・・・」

「大事にしてやるんだな・・・その女・・・」

そう言ってクルーゼは静かに瞳を閉じた。

「・・・クルーゼ。おまえまだオレの質問に答えてないぜ・・・?なあ・・・何でこんな・・・すぐに足の付くようなことをしたんだ・・・?」

ディアッカはクルーゼに眼を向ける。そして黙って次の言葉を待った。




「・・・おまえに会いたかったからさ・・・。ディアッカ・エルスマン・・・」

これが・・・僅かな沈黙の後に返ってきた返事だった・・・。







********






「話は済んだか・・・ディアッカ」

クルーゼの背後から甲高い声と共に、男がひとり姿を現した。

「イザーク・・・仮病まで使わせて悪かったな・・・」

姿を現したのはイザークだった。

「まったく・・・貴様には困ったものだっ!」

イザークはクルーゼを連れて行くように配下に命令すると大きく溜息をつき、呆れたようにディアッカを見つめ返した。

ディアッカが手紙をニコルに託した後、ニコルはその場にいなかったイザークに携帯メールでごく短い指示を出した。
すなわちそれか『イザーク!緊急入院してください』である。
たったこれだけの指示でイザークはディアッカの実家の病院に入院した・・と見せかけて実はGPSの探査の為の準備を始めたのだ。
病院には誰でも入れるが、反面隠しカメラやモニターなどの計器が多数存在する。
ましてや大物政治家の御曹司であるイザークが入院したとなれば、マスコミやボディガードの動きも活発になる。よって、イザークの病室へは容易に近寄れない近寄れない環境が出来上がるという訳だ。
その状況を利用してイザークはGPS探査や特務隊への指示を出していた。

ニコルは諜報能力を駆使して小1時間で『R・L・K』という人物の割り出しと現状を調べ上げた。
その結果を警察に報告すると共に、自らスポークスマンとして警察とマスコミへの対応を図り、その後クルーゼの手下にわざと捕まってミリアリアのいる位置を正確にイザークに伝えた。

一見大人しい雰囲気のアスラン・ザラは実はフォア・カードきっての武道家で、おそらく自分にも向けられているだろう監視を一手に引き受け折を見てわざと捕まるように行動した。ケガの無いように相手の攻撃を受け、やられたフリが出来るのは彼が卓抜した武道家である証なのだ。
ダメージを受けていない彼はいつでも突破口を築けるようになっていた。

ディアッカが渡した手紙を見て瞬時に自分達の役割をソツなくこなす・・・。それこそが『フォア・カード』の能力である。

フォア・カードのリーダーはディアッカ・エルスマンだ。
彼の能力は緻密な計算力と駆け引き、そして大胆な行動力である。何よりも簡潔な指示を的確に出すのが上手い。
だからこそTOPに立つ男なのだ。



───後の始末を任せていいか・・・?

ディアッカが小さく言うと、イザークは黙って頷いた。

(はやく・・・ミリアリアを介抱してやれ・・・)

その眼がそう語っていた。


ミリアリアはディアッカの胸に顔を埋めたまま泣いている。
気が強く、しっかりした女だとディアッカも認めてはいるが・・・まだ16歳の少女なのだ。
こんな目に遭って平気でいられるはずも無い。

「おまえまで・・・巻き込んでゴメンな・・・」

ミリアリアの背中に回した腕の力はとても優しい。
まるで小さな子供をあやすかのようにただただ頭と背中を撫でるディアッカの姿は『これがあのディアッカ・エルスマンか?』と思わせるに充分だった。

「おまえ・・・クルーゼから何か聞かされなかったか・・・?」

不意のディアッカの言葉にミリアリアはミリアリアは身を硬くした。

そう。実はクルーゼから聞かされたことがあったのだ。



───ディアッカ・エルスマンは愛人の子供としてこの世に生を受けた。

名士の父親はディアッカを認知こそはしたものの、それきりずっと放っておいたものだ。
嫡子で長男のアズラエルが事故死しなければきっと今も忘れられた存在だったに違いない。
世を拗ねた彼は同じく名士の出身ながら陰の身として鬱屈した日々を送るラウ・ル・クルーゼと徒党を組んでありとあらゆる悪事に身を染めたこと。
名士の御曹司としての生活を送るようになってもかなり荒れた生活をしていたこと。
信頼しているのは『フォア・カード』のメンバーと、優しかった姉のマリュー・ラミアスだけだということ。

だが、そんなディアッカに変化をもたらした女性が現れた。
すなわちそれが『ミリアリア・ハウ』だということ・・・。

ディアッカは明らかに変わったのだ。

少なくとも優しい笑顔を見せるなんてことはなかった彼に、そんな顔をさせる女性の存在は驚きだった。

だが、ミリアリアはそれらのことには触れなかった。

ただひと言。

「ううん・・・何も聞いてないわ・・・」

とだけ返事をした。

「・・・そう・・・」

ディアッカもそれきり言わなかった。

解っていた。きっとクルーゼのことだから・・・これまでディアッカがしてきた悪事のこともミリアリアには話しただろう。
だが、それでもミリアリアは何も聞いていないと自分に言った・・・。

最愛の恋人を事故で亡くしたミリアリア。
彼女は知っている。
過去を振り返るだけでは何も生まれはしない・・・ということを。
だからこそ嘘をついた。
ディアッカの過去は何も知らないとシラを切ったのだと・・・ディアッカには解っっていた。

自分の力で歩かぬ者に未来はきっと訪れない。

ミリアリアもディアッカも自らの経験でそれを知っている。だが、クルーゼはそれを知らない。知ろうともしない。

クルーゼとの違いはただ・・・きっとそれだけ。


──ミリアリア・・・?

いつの間にか重みを増したミリアリアを呼んでも返事はない。

(なんだよ・・・また眠っちまったのかよ・・・)

助け出されて一気に気が緩んだのだろう。
ミリアリアは小さな寝息をたてて眠ってしまっていた。
ニコルが毛布を持ってきてそっとその上に掛けてやった。

強く・・・優しい得がたい少女。

偶然知り合った少女はこんなにも生気に満ち溢れている。







───そうだなクルーゼ。

ディアッカは思う。

この少女を大切にしよう・・・。

この騒ぎが落ち着いたらもっといろいろな話をしよう。





───ゴメンな・・・ミリアリア・・・。





ディアッカがようやく告げたこのひと言は・・・

世間を斜めに見てきた男の精一杯の愛情表現だと誰が知る?

ミリアリアに対する感情が恋かどうか・・・ディアッカにはまだ解らない。











だが所詮、恋など本人の知らないところでいつの間にかひっそりと・・・。

まあ、そういうものだということだ。












 (2005.12.30) 空

※  大変お待たせ致しました。遅くなりましたがキリリクの完結編をお届けします。
    シリアスな終わり方で、今後に続く含みを持たせました。
    ディアッカの過去・・・>?・・・これも所詮ナゾのままです(笑)

    リクエストありがとうございました・・・!

    キリリクへ