昨日の敵は今日の盟友・・・まあホント都合のいい話だとは思うんだけれど?




Stab Me In The Back!




『アスラン・ザラ!イザーク・ジュール!・・・とディアッカ・エルスマン!以上3人前へ!今より対戦艦撃墜のシュミレーションを行なう』


(またかよ・・・)

もうウンザリものだ。
『オレ』と『イザーク』と『アスラン』だなんて組ませる教官もどうかしてると思うぜマジで。
『怠惰』と『熱血』と『深刻』が服着て互いの顔色を窺っているようなもんさ!マトモじゃねえよ誰が見ても。

これでシュミレーション成績がTOPだなんて組んでるオレが一番不思議に感じてる。
まあ『熱血』」と『深刻』のおもりは手馴れたもんだと自分でも思ってるけれどもね。


『3人で協議の上、所定の位置に就け!』

(所定の位置ね・・・)

誰が決めたのか知らないが、さも当たり前の様に『TOPにイザーク』。でもって『シフトサポートがアスラン』で、オレはというと今日も『背面援護』のしんがりを護る退屈な位置。

「アスラン!右!」

甲高いイザークの声が狭いコクピットに響き渡る。うるせえよっ!もっとトーン低くできねえのかよ?声変わりは大昔に済ませてるんだろ?

「イザーク・・・左がガラ空きだぞっ」

『深刻』な奴が苛立ちを隠さずに叫んでいる。眉間にシワなんか寄せちゃってさ?そんな顔してちゃオンナも寄ってこないぜおまえ!

まったくライバル意識剥き出しにしちゃって・・・そんなにTOPになりたいわけ?
エリートの『赤服』は成績が上位20番まで着れるのよ?ならば1番も20番も大差はないじゃん。そこまでムキになるなっつーの!

なあ・・・おまえら。そんな真剣になっちゃってさあ・・・いったい何が楽しいの?

前ばかり見てるけれどいいのかね?もしオレが友軍のフリした敵だったらどうするよ?






例えば・・・こんな風にさあ!






ニヤリと笑って直弾を1発後からあいつらの間にブチ込んでやる。さすがは成績TOPと2番。避ける速さも並じゃないね。

「何をするんだディアッカっ」

『深刻ぶったアスランボーヤ』がこれまた悲痛な叫びを発す。

「・・・!ディアッカ・・・っきさまぁぁぁ〜!」

『熱血なお子ちゃマ』は更に熱血むき出しの声でオレを詰る。






「おまえらさあ〜!弾は前から来るとは限らないぜ?オレがヤラレてたらどうなるか解ってんのかよ!」

クククと笑って更にもう1発ブチ込むと。

『ディアッカ・エルスマン!勝手な事をするんじゃない!』とマジメくさった教官がオレの静止に入る。

「イザークとアスランの視野と現状認識力が不足しておりますので、注意を促しました!こういうシュミレーションは全方位から対処できませんと訓練にはならないと思いますので・・・!」

「・・・・・・」

教官は無言で返答するも次の瞬間にはオレの言葉を肯定した。

『・・・よろしい。引き続きシュミレーションを継続するように!」






なあ・・・所詮こんなもんだぜ?上手くいけばオール・OK!やっぱ頭は使ってこそ華ってもんじゃん。そう思わない?







別にいいの。オレはこのまま毎日がテキトーに過ぎて往けば。
だってやりたい事も、夢中になれるものもない。

この後はオンナと遊んで楽しくやるのさ!
それでいいじゃん?好きな女と結婚できるわけじゃない。
あと何年かしたら婚姻統制でテキトーなオンナと子供作ってそのまま歳とっていくだけだしさ。

退屈な時間。
退屈な毎日。
退屈な人生。


ならばせいぜい楽しくやった者の勝ち。








          それだけの人生。





          それだけの命。







          ───そして後には何も残らない・・・。







          それがオレのすべて・・・。














 (2004.11.28) (2005 10.31 改稿)  空

 ※ 『Stab Me  In  The Back』 直訳すると後から突き刺せ! いろんな意味でアブないタイトルです。
    『X JAPAN』最速の名曲よりお題を頂きました。
    スーツCD5の黒バージョンとでも申しましょうか(笑)

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