「愛している」と何度囁いても伝わらない・・・そんな想いが確かにある。
逢えない日々の寂しさはオレだけのものじゃない。
切なさに押しつぶされそうな心を抱えて別れの言葉を隠すおまえ。
解っている。きっとそれはおまえのやさしさがそうさせるのだと・・・。
ダークネス
ドアを閉める微かな音と共に闇に溶け込むおまえを見ていた。
「帰るわ・・・」
呟きとも溜息とも聞こえるような小さな声を言葉に乗せておまえが離れていくのを・・・オレは見ていた。
「どこに帰るの・・・?」
「私のいるべきところに帰るわ・・・」
「それは・・・どこなの?」
「それはきっと・・・ここではないどこかだわね・・・」
そしてドアを閉める微かな音と共におまえは闇の中に消えた。
おまえは・・・「愛している」という言葉を絶対にオレに言わない。
その言葉でオレを縛ることを恐れている。
どれほど身体を重ねあっても恋人じゃないのだと・・・自分自身にきっと何度も言い聞かせたことだろう。
どうして?
いつもそうやっておまえはオレの腕から逃げていく。
「愛している」と何度囁いても伝わらない・・・そんな想いが確かにある。
どんな言葉で想いを語っても。
どれほど深くおまえのなかに入り込んでも。
そうさ・・・おまえの持つ寂しさをすべて癒す事などオレにはできない。
だが・・・おまえは解っているのか?
「愛している」という言葉をずっと待ち続けているオレを。
その言葉が聞きたくて何度もおまえを抱くオレの気持ちを。
おまえが見つめる未来は別れだけなのか?
どうして?
いつもそうやっておまえはオレの腕から逃げていく。
「愛している」と何度囁いても伝わらない・・・そんな想いが確かにある。
どんな季節も夜明け前は暗くて・・・そして寒いのだ。
闇に覆い隠されて互いの姿も今は見えない。
でも・・・忘れないで。どんな夜も必ず朝を迎えるということを・・・。
「どこに帰るの・・・?」
「私のいるべきところに帰るわ・・・」
「それは・・・どこなの?」
「それはきっと・・・ここではないどこかだわね・・・」
どうして?
いつもそうやっておまえはオレの腕から逃げていく。
「愛している」と何度囁いても伝わらない・・・そんな想いが確かにある。
だからオレはおまえを追うのだ。
おまえのいるべきところがここではないというのなら。
オレがそこに行くだけなのだと解らせるために。
どんな季節も夜明け前は暗くて・・・そして寒いのだ。
闇に覆い隠されて互いの姿も今は見えない。
でも・・・忘れないで。どんな夜も必ず朝を迎えるということを・・・。
オレたちがいる闇もいつかは朝を迎えるのだと・・・。
忘れないで・・・。
(2005.10.11)
※ 本気で恋した男は女と違って別れなんてあまり思わないらしいです。
性差というものなのでしょうかね・・・。
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